”MONYO

MONYO POPUP STORE special interview

August 2nd, 2026

-MONYO POPUP STORE at 1LDK AOYAMA-
2026.08.08(SAT) – 8.16(SUN)

 

この度、1LDKとしては初となる、新進気鋭のセラミックレーベルMONYO (@monyo_ceramics) のPOPUP STOREを開催いたします。

ディレクターのこだわりでもある釉薬がもたらす彩豊かな陶器の数々をぜひご覧くださいませ。
※釉薬:陶磁器の表面を覆うガラス質の膜のこと。

 

また、当日はwaragai atelier&shop (@hana_waragai) によるフラワーの販売も行います。

MONYOのフラワーベースと店主の藁谷さんがセレクトする季節の花々が織りなす、器と植物の組み合わせもぜひお楽しみください。
暮らしの中で器を使うことで生まれる新たな表情を一堂に感じていただける機会となっています。

 

併せて、今回のPOPUP STOREの開催にあたり、MONYOのディレクターを務める石井藍子氏への独占インタビューも敢行。
この機会に併せてご覧ください。

MONYO POPUP STORE special interview

~profile~
石井 藍子 / Aiko Ishii

1997年生まれ。多摩美術大学工芸科で陶を学び、卒業後はギャラリーでアーティストを支える仕事に携わる。
5年間、さまざまな作品に囲まれながら過ごすも、自らの手で土に触れる時間への想いは途切れることなく、自身のブランド『MONYO』をスタート。

土をこね、形を探ることはもちろん、制作と向き合う日々の合間には、洋服を見に出かけたり、数学の問題を解いたり。異なる時間のようでいて、どちらも頭を切り替えてくれる大切な習慣。好きな食べ物はお寿司。最近は、毎日桃を食べるのが日課になっている。

MONYO POPUP STORE special interview

【Special Interview】

 

『MONYOをスタートしたきっかけ』

「大学では陶芸を専攻していたんですが、卒業後は美術業界に就職して、東京で会社員として働いていました。」

 

——意外でした。一度は陶芸から離れていたんですね。

 

「そうなんです。毎日忙しく働いていました。でも、あるとき『このまま働き続けて、自分には何が残るんだろう』って、ふと考えるようになって。」

 

——その問いが、少しずつ大きくなっていったんですね。

 

「はい。本当にやりたいことに挑戦しないままでいいのかな、と。それで家族に相談しました。」

 

——そこで、お父さまの存在が大きかったそうですね。

 

「父は福岡出身で陶芸にとても関心がありました。九州は産地陶芸が盛んな土地なので、その影響もあったんだと思います。でもそれを生業にはせず、堅実な道を選んだ人でした。」

 

——だからこそ、自分の思いを投影するように石井さんが陶芸の道へ進むことを応援してくれた。

 

「そうだったのかもしれません。私自身も、大好きな父が元気なうちに、本当にやりたいことを形にしている姿を見せたいという思いがありました。陶芸をやりたいと伝えたときは、本当に喜んでくれました。」

 

——でも、仕事を変える決断って、簡単ではないですよね。

 

「そうですね。最後に背中を押してくれたのは夫でした。」

 

——ご主人は、どんな言葉をかけてくれたんですか?

 

「『仕事はお金を稼ぐためだけじゃなくて、人生の核にもなり得るもの。だから、お金を稼ぐことと、本当にやりたいことは別でもいいんじゃない。』そう言ってくれたんです。」

 

——その言葉で、覚悟が決まったんですね。

 

「はい。その一言で、自分の中の迷いが整理されました。そして、MONYOを始めようと決意しました。」

MONYO POPUP STORE special interview

『MONYOというレーベルネームの由来』

「『MONYO』という名前は、『紋様/文様』という、日本古来の言葉が由来なんです。」

 

——ブランド名には、日本のものづくりとのつながりが込められているんですよね。

 

「はい。ブランドを立ち上げるとき、日本のものづくりのルーツにつながる名前にしたいと思っていました。」

 

——そのルーツとして、縄文文化に惹かれた理由は何だったのでしょう。

 

「縄文土器や土偶を見ていると、地域ごとに模様がまったく違うんです。その土地で暮らす人たちの祈りや生活様式だったりが、そのまま表れているように感じられて。」

 

——同じ土器でも、一つひとつに個性がある。

 

「そうなんです。一方で、弥生時代になると村が組織化されて、器も少しずつ均一で量産的になっていきます。その違いがとても面白くて。それらを比較したときに、私は縄文土器の自由さや、ひとつひとつ違う表情に惹かれました。」

 

——その考え方は、今のものづくりにも通じていますね。

 

「まさにそうです。便利な世の中の今だからこそ、均一につくられたものではなく、人の手から生まれるアナログな表情を大切にしたいと思っています。使う人にも、その違いを楽しんでもらえたら嬉しいです。」

 

——ブランド名の表記も、あえてローマ字にされていますね。

 

「はい。ローマ字で『MONYO』と書くことで、『もにょ』と読めるような柔らかい響きも気に入っています。」

 

——日本らしさを持ちながら、海外の方にも親しんでもらえる名前なんですね。

 

「そうですね。読み方を一つに決めるというより、それぞれ自由に呼んでもらえるブランドであってほしいと思っています。」

MONYO POPUP STORE special interview

『MONYOらしさをつくるもの』

「もともと陶芸に惹かれた理由は、土という素材そのものの面白さでした。」

 

——どんなところに魅力を感じたんですか?

 

「陶芸は、金属やガラスと並ぶ伝統的なマテリアルですが、その中で唯一、常温で自由に形をつくることができる素材なんです。指先のわずかな力加減やニュアンスまで、そのまま土に残る。その感覚がすごく面白くて。」

 

——焼き上がるまでの工程にも、陶芸ならではの魅力がありますよね。

 

「そうですね。焼くことで土や釉薬が化学変化を起こして、思いがけない表情が生まれるんです。自分でコントロールできる部分と、窯に委ねる部分が共存している。ある意味での、その予測のできなさが面白いところだと思います。」

 

——少し意外ですが、「布を扱うような感覚」と表現されていましたね。

 

「そうなんです。自分の中では、陶芸はテキスタイルに近い素材という感覚があります。色や質感を重ねながら表情をつくっていくところが、どこか似ている気がしていて。」

 

——そこから、MONYOらしい表現を探していった。

 

「『自分にしかできない陶芸って何だろう』と考えたことが始まりでした。大学では窯業を化学的な視点から学んでいたので、その知識を自分の表現に生かしたいと思ったんです。」

 

——大学での学びは、今も制作の土台になっているんですね。

 

「すごく生きています。土と釉薬の相性や焼成温度など、大学で学んだ知識が、今の制作のベースになっています。」

 

——制作を続ける中で、ご自身が特に惹かれているものも見えてきたそうですね。

 

「はい。作っていくうちに、自分は形よりも、釉薬や色に惹かれていることに気づきました。だから器のフォルムはできるだけシンプルにして、その分、色の表情が引き立つように意識しています。」

 

——その色は、どうやって生まれているのでしょう。

 

「同じ色の釉薬をベースにしながら、別の釉薬を重ねて、微妙な色の違いをつくっています。見る角度や光の当たり方によって表情が変わるのも、私の作る陶器ならではの面白さですね。」

 

——だからこそ、形はあえて主張しすぎないんですね。

 

「そうですね。面白い形をつくることよりも、長く使ってもらえることを大切にしたいんです。流行に左右されず、何十年後も暮らしの中で自然と使い続けてもらえる器であってほしいと思っています。」

 

——その"長く使う"という考え方には、ものづくりへの姿勢も表れていますね。

 

「陶器は、捨ててしまうと産業廃棄物になってしまいます。だからこそ、作る以上はできるだけ長く使っていただけるものを届けたい。アートとしての面白さと、環境への意識。その両方を大切にしながら、これからも制作を続けていきたいと思っています。」

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『MONYOの制作過程』

——制作過程を簡略的で大丈夫ですので、教えていただくことはできますか。

もちろんです!
まずはタネとなる土をこねるところから始めます。
土は細かいのと粗いのをミックスしたものを今は使うのにハマっていて(笑)。
これはもう混ざっている状態、耳たぶくらいの柔らかさです。

MONYO POPUP STORE special interview
MONYO POPUP STORE special interview

今ちょうど鉢を作っていて、ひも作りと呼ばれる技法で作っています。
輪積みとも呼ばれていて、縄文時代の頃と同じ作り方と言われています。
空気が入って割れないように、内側、斜めに付け加えていって、これをひたすら指で整えていきます。結構な肉体労働です(笑)。

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これは”どべ”と呼ばれる取手をつける際の接着剤のような役割を果たしてくれる液です。
器によってはこれを使って取手を付けて整えていきます。

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整えたらこの状態で一度窯に入れ、素焼きと呼ばれる1度目の焼成を行います。
900℃くらいまで上げて焼くので、夏は本当に部屋が暑いです…。

MONYO POPUP STORE special interview
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素焼き後の姿がこれです。歪な部分はリューターと呼ばれる工具で削っていき、もう一度整えます。ちなみにこの時に出る削り滓は捨てずに集めて、水に浸し、冒頭のタネに戻します。

MONYO POPUP STORE special interview

素焼きを終えたら、釉薬を載せていきます。ここから色味が大きく変わっていきます。
重ね方で表情が全然変わるので、一番の醍醐味です。この後本焼きを行います。

MONYO POPUP STORE special interview

本焼きでは1230℃とかまで上げます(笑)。
本焼きを終え、最後のメンテナンスをし、完成。
溶け出した釉薬の彩豊かな表情が特徴的ですね。

『MONYOのこれから』

 

——ブランドを立ち上げてから、ここまでを振り返ってみていかがですか?

 

「始めた当初は想像もしていなかったような、本当にありがたい方向へ進んでいると感じています。」

 

——その中でも、これから大切にしていきたいことはありますか?

 

「まずは今いるこの場所で、土地や環境に配慮しながら、この場所だからこそ生み出せる陶器を、一つひとつ丁寧につくっていきたいと思っています。」

 

——一方で、この先挑戦してみたいこともあるそうですね。

 

「はい。将来的には、世界でも活動できるようになれたらと思っています。」

 

——世界というと、海外で展示をしたり、制作をしたりということですかね。

 

「そうですね。一つの場所に留まるのではなく、土地を変えながら、その場所で感じたことや出会ったものを作品に取り入れていけたら素敵だなと思っています。」

 

——土地が変われば、景色も、人も、空気も変わる。その経験が作品にも映し出されていくのかもしれませんね。

 

「そうなったら嬉しいです。」

 

——最後に、MONYOを通して、いちばん大切にしていることを教えてください。

 

「自分の作品を選んでくださる方がいること、応援してくださる方がいることは、今でも本当に驚きなんです。」

 

(少し照れたような笑み)

 

「だからこそ、その方々への感謝を忘れずに、一つひとつ丁寧にものづくりを続けていきたいと思っています。」

 

——その言葉どおりの誠実なものづくりが、一つひとつの器から伝わってくるような気がしました。本日はありがとうございました。実りあるポップアップにさせていただきます!

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