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vebet reverse chain ring for 1LDK

December 10th, 2025

1LDKでは、3度目となる vebet POP UPを開催します。
これまでの2回はいずれも多くのお客様にご好評をいただきました。

そして3回目の節目となる今回は、より多くの方に楽しんでいただけるよう、別注リングを制作いただきました。

今回の特集では、1LDK AOYAMAのレディーススタッフが、デザイナー・矢倉氏に「vebetに至るまでのストーリー」や「別注制作で大切にしたこと」についてお話を伺いました。
ブランドを形づくる思いや手仕事に触れながら、今回の別注が生まれるまでを丁寧に追っていきます。

vebet reverse chain ring for 1LDK
vebet reverse chain ring for 1LDK
vebet reverse chain ring for 1LDK

“reverse chain ring for 1LDK”

Date: 2025.12.13(Sat.) 〜
at 1LDK AOYAMA ,1LDK apartments. 1LDK kyoto

1LDK:今回は別注をお作りいただきありがとうございます。お伺いしたいことがあって、どこから聞こうかな…。

それではまず改めて、vebetのブランドコンセプトを教えていただけますか?

YAGURA: vebetは「身に付ける人の個性を照らし、長く使える“タイムレス・シーズンレス”なジュエリー」を軸にしています。

極限まで無駄をそぎ落としながらも、その人らしさが自然と浮かび上がるようなジュエリーをつくりたいと思い、2017年にスタートしました。

1LDK: vebetを発見した時に、コンセプトにとても共感したのを今でも鮮明に覚えています。そこからお店でポップアップ開催、お取り扱いスタートとなり…。
矢倉さんにご連絡をさせていただいたのが懐かしいです!

vebet reverse chain ring for 1LDK

■洋服作りから、ジュエリーへ。出会いのきっかけ。

1LDK: 矢倉さんは現在お一人でジュエリーを製作されていますが、物作りはもともとお好きだったのですか?

YAGURA:そうですね、幼い頃皮膚炎に悩んでいたこともあって、小学校の終わり頃には母にミシンを教わって、初めて洋服を作りました。そのまま中高も服飾のある学校に進んで、自然な流れで服飾大へ進みました。

1LDK:幼少期からなんですね! 好きなことから進路を決めてまっすぐ進まれている姿、なんだか憧れちゃいます。

そういえば、昨年ポップアップでお話した際、vebetはほぼ一人で製作されているとお伺いし、そこも素敵だなと思った反面、なかなかハードなことをされている印象で…そこには何かきっかけや理由はあるのでしょうか?

YAGURA:学生時代に生産背景を学ぶ中で、途上国の労働環境や搾取の問題を知って、“服づくりってこんな現実があるんだ…”と衝撃を受けました。

当時は、今みたいに「サステナブル」が広く浸透していたわけではなかったので、途上国に実際に足を運んで現地を見て、ボランティアなども経験しました。生産する人の責任をとても考えさせられた出来事です。

1LDK:そこから環境に対する関心や、ご自身の中で大切にされるものが明確になったと同時に、この体験こそが現在のジュエリー制作に繋がっているんですね。

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1LDK:就職の際も環境に配慮した企業を選ばれて入られたとか?

YAGURA:リサイクルダウンや、リユース事業をしているサステナブルな思考を持つ企業に就職しました。
ただ、実際にアパレルに入ってみると、どうしても売上優先の場面が多くて…。
環境や人にプラスにならない部分は必ず出てきて、その矛盾にすごく苦しみました。

1LDK:ご自身の信念と現実のギャップを埋めるのって難しいですよね、そこでアパレルから離れる決断をされて、一気にジュエリーづくりへ?

YAGURA:はい。好きな世界ではあったけれど、自分の気持ちがついてこなくて。
アパレルを辞めた後、以前パートナーに手作りしたリングを思い出したんです。“あれ、すごく楽しかったな”って。そこから彫金教室に通い始めました。

1LDK:ものづくりが大好きな矢倉さんにとって、ジュエリーづくりにのめり込んだ魅力はズバリ、なんですか?

YAGURA:ジュエリーって、お直ししながら長く使えるし、溶かせばまた自由に形を変えて、生まれ変われることも出来るんです。
そこがジュエリーの魅力の一つだなって。作って、お届けして、お直しして、、、その循環を自分の手で責任もって見届けられるのが魅力だと考えます。

1LDK:なるほど、私もまさしく例に挙げてくださった祖母・母・私と譲ってもらったリングがあります。まだ、母の手元にあるので予定ではあるんですが(笑)

つまり、矢倉さんのなかで現実とのギャップも埋めながら、プラスの循環が生まれるものづくりに行き着いたんですね!過去のご経験がしっかりと今の製作への責任に繋がっているんですね。

vebet reverse chain ring for 1LDK
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■ “服を傷つけないジュエリー”という発想
発想の原点はどんな時も使い続けられる物

1LDK:ブランド名の“vebet”、とても可愛い響きですよね。由来が気になります。

YAGURA:昔から、いとおしいものを「bebe(べべ)」って呼ぶクセがありました。人にも、物にも。

その癖をブランドにも重ね、人それぞれの「bebe(べべ)」を連想させない意図と、照れ隠しもあり、頭文字を”v”に変えて、「将来永く使い続けるものと“共に”」の思いも込めて「〇〇と」という意味から “t”を付けて「vebet」にしました。

1LDK:そんな背景があったとは!
知るとよりvebetのアイテムが愛おしくなってきますね!

YAGURA:由来の話、お伝えするの初めてなんです。
なんだか恥ずかしくて今まではずっとはぐらかしてきました、ごめんなさい(笑)

1LDK:お話いただけて嬉しいです!ジュエリーのデザインで大切にしていることは何ですか?

YAGURA:洋服や物を傷つけないことですね。アパレルにいた頃、ニットに引っかかったり、服を傷めてしまうことが多々あり、ストレスに感じていました。
だからこそ、普段使いでストレスがない形であることを最優先にしています。

1LDK: たしかに、私たちもお洋服を扱うのでジュエリー選びの際に意識はしていなかったですが、自然と付けやすいデザインを選んでいた気がします。ストレスがない形というと、、、?

YAGURA:角がない丸みのあるディテールであったり、突起が控えめだったり、生活の一部として使えるってことは大事にしています。
そこに加えて、どんな時もシーンを選ばず使い続られるものであることや、ジェンダーレスで楽しめることも大切にしています。

1LDK:vebetはライフスタイルに寄り添った、性別を問わず付けられるデザインが印象的ですよね!
それこそ初めてポップアップをお願いするときもにも、デザインはもちろん、そういった背景の部分でも1LDKにピッタリだなって思ったのが記憶に新しいです。

YAGURA:そう言っていいただけて嬉しいです。
初めてパートナーに贈ったリングも、同じものをシェアしていたんです。借りたり、違う指につけたり。その自由さが心地よくて。

性別で区切るより、その人自身に馴染むかどうかがやはり大切ですね。

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■ インスピレーションの源から、vebet×1LDK 別注に至るまで

1LDK:これもvebetの由来と同じくらい聞きたかったことなんですけど、数々の素敵なアイテムの発想は、どんなところから着想されるのですか?

矢倉さんのなかでミューズや憧れがあって、デザインが浮かび上がる感じですか?

YAGURA:誰か特定のミューズやモデルがいるわけではなく…自分の中で“今はこんなの欲しいな”や“お客様がこういったのがあれば”って仰ってたなとか、お顔を浮かべながら始まります。

そこからただただひたすらデザイン画を描きます。形にならなくても描き続けて、“これだ!”ってなったものが商品に。

もちろんその分形にならなった物も多くありました。ただ、何年も寝かせておくと突然「あ、今ならこれ可愛い」と思うこともあったりします。なんだか曖昧ですよね(笑)

1LDK:いやいや、わかります。矢倉さんはご友人やお客様も非常に多いのが過去のポップアップでも感じていて。人とのつながりの縁(円)が流動的に動くのと同様に、デザインにも矢倉さんの人となりにある柔軟さが反映されているんだなと感じました。

YAGURA:なんだか照れますね。

1LDK:今回の別注も、お客様の声や反応をお互い思い出しながら作り始めましたよね。昨年のポップアップの際に好評だったoriginal O chain 002 ringが大好評で。なら、この雰囲気をベースに型から作りましょう!」って話が進み、そこからデザイン画もたくさん書いてくださり、、、とっても驚きました。

YAGURA:昨年のイベントの際にも店頭に立たせていただき、そのときのお客様の表情や着けていたお手元を見ていると「もう少しボリュームがあっても良いかな」って感じました。

なので、少しボリュームを出したり、今までよりも男性の目線を持ってデザインをしてみようかなと思ったのがデザインのスタートでした。

今回は別注ということで、1LDKのお客様にしっかりお届けしたいなと思いながらスタッフの皆さんとお話しして試行錯誤を繰り返した皆さんの想いもこもったデザインになっています。

vebet reverse chain ring for 1LDK
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1LDK:このぷっくり具合、可愛いですよね。
original O chain 002 ringもスッキリとして好きですけど、ボリュームがあることでアクセサリーのコーディネートが変わるというか。

YAGURA:私もチェーンが一つ入るだけで抑揚が生まれるので、必ず着けるようにしています。そこを今回も意識しました。あとは経年変化が綺麗に出ること。

1LDK:経年変化が綺麗にというと?

YAGURA:使用していくと皮脂汚れや埃などから汚れて硫化していき黒く変化を遂げていく。そのエイジングがシルバーの特徴であり、良さでもあると思うんです。

なので、円を繋ぐ2本線のデザインの窪みが時を重ねることでエイジングし、使用していくことで変化する姿を想像しながら制作しました。

1LDK:その魅力、とっても分かります。私自身も輝きが強すぎると手元から浮いている気がして、使い込んでくすませるのが好きです。このリングもどんな風になっていくのか楽しみですね!

YAGURA:あとは、全てチェーンではなく半分ストレートのデザインにしたことですね。これは、1LDKチームからの案でしたね。

1LDK:この案はメンズスタッフの意見を基に案を出させていただきました。と言うのも、「どんなアクセサリーをつけたい?」って色々と聞いていたら「アクセサリーを何個も持つのは管理がしきれないし、重ね付けとかも実は苦手。だけど、本当は色んなパターン楽しみたい。」って話が上がって。なら二面性があるデザインが良いんじゃないかな?という発想に至りました。

YAGURA:まさしく、デザインが異なることで違う一面を見せたり、コーディネートの付け替えのバリエーションが出しやすくなり、面白いリングが出来上がりました。皆さんの手元に届くのが楽しみです!

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■製作にまつわるエトセトラ…

1LDK:デザイン画から決まって、製作されたサンプルが届いてこれがリングになるのか!と楽しみと同時に、サンプルを3Dプリンターで製作?!と驚きました。よく使われる手法なんですか?

YAGURA:製作工程の無駄を省いたり、より均等性が測れたものを効率よく作る観点から建築ソフトを使って3Dプリンターに起こすことが近年では主流になってきています。
もちろん、毎回使用するわけではないのですが、今回のチェーンリングは整ったデザインを再現したく使用しました。今回のデザインが決まった後に3Dにするまでは40個くらい修正を出してたかな?

1LDK:40個も?!
そうとは知らなかったので、驚きが隠せません。

1LDK:また、3Dプリンターを使用する手法や製作工程のアプローチの使い分けがあるんですね。お伺いしないと気づけない部分でした。
そのまま、アトリエも見せていただけませんか?

YAGURA:どうぞどうぞ(笑)私一人が座れるくらいの限られたスペースなんです。

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1LDK:うわぁ、ここで製作されているんですね!たまにインスタグラムで制作風景などを投稿されていたのを見ていたので、実は工房がどんな雰囲気なのか凄く気になっていたんです。

ここの工房では、どんな工程を踏まれているんですか?

YAGURA:色々行うのですが…。ベースとなるデザインのサンプルを製作したり、シルバー(鋳物)を磨いたり、溶接したりと色々。今日は磨いているところをお見せしますね。

1LDK:え、こんなに真っ白なんですか?!

YAGURA:そうなんです。シルバーって熱を入れると色が変わるんですけど、磨かないとこんなに真っ白なんです。なので、それを一つずつパーツごとにやすりを使い分けて磨いています。

1LDK:果てしないですね…。一つ作るのに、どれくらい時間がかかるんですか?

YAGURA:え〜?どうでしょう…?物によって石留めをしたり、溶接したりと工程が違うので一概に言えませんが、今回の別注のリングは窪みが多かったので、磨きの工程が多く骨が折れました(笑)

早く皆さんの手についてる姿が見たいなと思っていたら、あっという間でしたよ。

1LDK:磨く工程だけでも、緻密で繊細ということがわかるので、骨が折れるのも納得です。

丹精込めて作って下さっているアイテムといことが知れて、より一層愛おしく、お客さまの手元に届くのが、私たちも楽しみです。

今回は貴重なお話をありがとうございました。

vebet reverse chain ring for 1LDK

【別注アイテム発売】
“reverse chain ring for 1LDK”

SIZE:9号 / 13号 / 17号
¥26,400- TAX IN

発売日:2025年12月13日(土)〜
展開店舗:1LDK AOYAMA / 1LDK apartments. / 1LDK kyoto / 1LDK ONLINE STORE

 

【ポップアップ】
開催期間:2025年12月13日(土)〜12月25(木)
開催店舗:1LDK AOYAMA / 1LDK apartments. / 1LDK Kyoto / 1LDK ONLINE STORE

期間中は、vebetが手掛ける幅広いラインナップに加えて、新作も並ぶ特別な機会となっております。

 

1LDK AOYAMA限定イベント】
また12
月13日(土) 12:00〜はアーティストのs.g.によるライブウインドウアートライブを1LDK AOYAMAにて開催。
併せて、12月13日(土),14日(日)はvebetデザイナーの矢倉さんが在店します。
来店に際して予約等は不要です。是非お気軽にお越しください。

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